ソニーのRX100に見えるR1からの思い

ソニーのRX100への思い

ソニーのDSC-RX100が発表された時には驚きましたし、とても嬉しくなりました。ソニーはカメラメーカーではなく家電メーカーなこともあってか、今まで思い切った発想のカメラを発表してきましたが、このRX100もよく出してくれたというカメラに仕上がっています。今まで本当に何十台もデジカメを使ってきましたが、RX100のように惹きつけられる魅力あるカメラが出てきてくれたからです。

ソニーのRX100が発表された時に、その機種名で思い出したことがありました。2005年に、ソニーからサイバーショットのDSC-R1を発売しています。R1は、レンズ一体型機です。その撮像素子(イメージセンサー)の大きさは、CMOSの21.5×14.4mmでした。ソニーは2005年にすでに、その大きさのセンサーのレンズ一体型のデジカメを出していました。2005年にそれだけの大きさのセンサーサイズのレンズ一体型機を発表したのは、時期が早すぎた感じもしました。

そのR1の後継機は、ついに出ることはありませんでした。ですが、R1の型番には、ソニーの強い意気込みがありました。ソニーがR1で発表した大型撮像素子のレンズ一体型機の心意気が、その後の機種の発表につながって、DSC-RX1とDSC-RX100に受け継がれていきました。R1とRX1とRX100の型番の共通性に、ソニーの思いが見て取れます。

レンズ一体型機はセンサーサイズが極小のコンデジと言われて、レンズ交換式機よりも画質が悪いのは当たり前のように言われてきました。そのことは、2005年にソニーがR1を発売した時に、すでに間違いになっていました。ですが、2005年以降も、レンズ一体型機は交換式機よりも写りが絶対に悪いと言われ続けてきました。ソニーのR1の存在は、すっかり忘れ去られているかのようでした。

ソニーのデジカメの開発者たちの思いは、どうだったでしょうか。ソニーのR1があったことを忘れているのかという気持ちも、あったと思います。レンズ一体型機がコンデジと言われてずっと交換式機よりも下に見られてきたことを覆すデジカメを、ソニーは発表する機会をうかがってきたのだと思います。

そこでソニーは、レンズ一体型機でも大型撮像素子を搭載して写りが本当にいい機種は以前にR1を発表している。R1はサイズが大きすぎて重くなって、気軽に高画質を撮れて、気軽に持ち歩けるスナップカメラの役割が果たせなかった。今度は大型撮像素子を搭載しながら、コンパクトな機種を発表したいと思っていた。RX100の開発に至るソニー開発陣の思いは、こういう心意気があったと思います。ソニーがRX100を発表する経緯には、R1を開発していた時から続くソニーのカメラへの情熱があったのではないでしょうか。

どんなデジカメが発表されるのかを今までのデジカメの機種から見ていくと、その各デジカメに対する親しみがもっと強くなって、それが結果的に、よりよい写真が撮れることにもつながるのではないでしょうか。

次の「ソニーのRX100が本当のコンデジ延長の大センサー機」の記事に続きます。ソニー RX100M2 裏面照射型の欠点の低感度の画質も良好から、後継機のRX100M2の記事を書いています。

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