ライカS3 レビューと比較

ライカS3

ライカS3は、35mmフルサイズよりも、もっと撮像素子が大きいライカプロフォーマットの45mm×30mmの中判デジタル一眼レフです。アスペクト比は3対2です。35mmフルサイズと明るいレンズでの撮影でも背景がかなりボケますが、それより大きい45mm×30mmではもっと背景をボカすことができます。

画素数は6400万画素で、画素ピッチは4.6µmです。画素ピッチのことは画素ピッチの計算方法とセンサー別の数値の意味に書いていますが、4µm以上あれば画素ピッチに余裕があります。

ライカS3は6400万画素もあっても画素ピッチが4.6µmもあるのは、35mmフルサイズよりも大きいセンサーで、1画素当たりの受光面積に余裕があるからです。画像処理エンジンはLEICA MAESTRO IIです。

ライカS3のマウントレンズは、ライカSマウントです。記録メディアは、SDカード系と、CFカードも使えます。露出補正の補正幅は±3段で、1/2段ステップで補正できます。ISO感度は、ISO100からISO50000まで設定できます。ファインダーの倍率は0.87倍で、視野率は約98%です。ファインダーには、電子水準器の表示ができます。

モニターは3型の約92万1600ドットです。ライカS3の価格を考えると、モニターのドット数が粗いです。ライブビューのフレームレートは60コマ/秒です。

AFはファインダーでは位相差AFですが、モニターのライブビューではコントラストAFです。動画はCinema4Kの24fpsとフルHDの30fpsで撮影できます。ライカ S3のシネマ4K動画は、撮像範囲をフルに使った撮影ができます。

動画の音声は、48kHz/16bitのステレオです。外部マイクも使えます。動画の連続撮影時間は29分の制限があります。シャッタースピードの上限は、1/4000秒です。セントラルシャッターを搭載しているSレンズでは、メインスイッチで通常使うフォーカルプレーンシャッターと、レンズシャッターのセントラルシャッターの切り替えができます。

レンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターの違いとはに、違いを書いています。

セントラルシャッターでは1/1000秒が上限で、フラッシュの同調速度も1/1000秒まで使えます。バッファメモリーは2GBあります。連写性能は、秒間コマ数が約3コマ/秒で、最大撮影枚数はDNGで6枚、JPGでは上限なく撮影できます。

ライカS3にはテザー撮影に使えるLeica Image Shuttleがあって、それを使ってパソコンからリモート操作をして、その画像をUSB3.0でパソコンに転送できます。Wi-Fiを使って、アプリのLeica FOTOS 2.0からリモート撮影することもできます。

内蔵GPSもあります。ライカS3のボディは防塵防滴構造です。氷点下では動作環境外です。本体の重さは、バッテリー込みで約1260gです。

ライカS3は価格は高いですが、35mmフルサイズよりもセンサーが大きいことで、背景をさらに大きくボカすことができることもありますが、6400万画素もの画素数があるので、解像度を生かした広大な風景撮影にも向いています。

35mmフルサイズでは6400万画素もあれば、画素ピッチは4µmを切ることになって、1画素の受光面積に余裕がなくなります。35mmフルサイズでは、6000万画素以上の高画素機なら、広大な風景撮影には向いても、画素ピッチに余裕がなくなることで、ポートレート撮影などには向かなくなります。

ポートレート撮影には6000万画素以上もの高画素は必要ないのに、画素数が増えすぎたことによる画素ピッチの弊害が出て、画質が低下するからです。ライカS3は中判一眼レフなので、広大な風景撮影に向きながら、ポートレート撮影にも向くという35mmフルサイズ機にはできないことができるカメラです。

35mmフルサイズは、フルサイズと言いながら、中判センサーに比べれば小さいセンサーです。ライカS3に搭載されているセンサーなら、6000万画素以上でありながら、画素ピッチに余裕があることによる繊細な撮影にも向いています。

35mmフルサイズ機ではできない様々な撮影が一台でできるのが、ライカS3です。35mmフルサイズでは、6000万画素以上の高画素機のカメラが1台と、画素ピッチの余裕が出るもっと低画素で2000万画素以上少ないカメラが1台の計2台が必要なことを、ライカS3では1台で済ますことができます。

結果的に、ライカS3のほうが軽くなって、気軽に持ち歩けることになります。ライカのカメラを買うのでライカのレンズを使える魅力があるのはもちろんですが、センサーが大きいことによって、多くの撮影状況に適用できることで、35mmフルサイズで同じようなことをするより気軽に持ち歩ける利点もあるカメラになっています。

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