iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8のカメラ レビュー 比較と評価

iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8のカメラ機能

アップルのiPhone Xと、iPhone 8PlusとiPhone 8の主な違いと比較を書いています。特に、カメラ機能のことを書いています。

iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8のセンサーは、裏面照射型センサーで同じです。裏面照射型はデジカメでソニー製の裏面照射型CMOSが搭載されてきたので、iPhoneもソニー製のCMOSだと思います。

裏面照射型CMOSは、それまでの表面照射型CMOSよりも高感度時のノイズが減少しているので、暗い場面でのISO感度を上げた時のノイズが少なくなっているセンサーのことです。

本体の背面にあるメインカメラの画素数は、iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8で共通で、1200万画素です。違いはiPhone X / iPhone 8Plusのメインカメラは広角と望遠の両方があるデュアルレンズですが、iPhone 8のメインカメラは広角レンズしかないです。

iPhone Xのメインのデュアルカメラは、広角レンズは4mmで約28mm相当でレンズが最も明るい開放F値がF1.8で、望遠レンズが6mmで約52mm相当で開放F値はF2.4です。

この焦点距離の相当というのは35mm判換算した時のことで、広角の4mmと望遠の6mmが実際の焦点距離です。望遠レンズの52mmは35mm判換算のものでしかないので、レンズ交換式の一眼の50mmレンズに比べれば、iPhone Xの望遠レンズは6mmしかないので、背景が全くボケないと言ってもいいくらいです。

背景のボケ具合の時にピントが合ったと言いますが、ピントとは 点でなく面で合う実像面に、ピントのことを書いています。

iPhone 7 / iPhone 7 Plusのカメラのレビューの記事にも書きましたが、iPhone 7も背面カメラは1200万画素でした。その記事にも書いていますが、iPhone 7の画素ピッチは1.22μm(マイクロメートル)です。

iPhone 7のセンサーとiPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8は同じソニー製の裏面照射型CMOSだと思われるので、iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8の画素ピッチも1.22μmだと思います。

画素ピッチのことは、画素ピッチの計算方法とセンサー別の数値の意味に書いています。そうなると、iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8の撮像素子の大きさ(センサーサイズ)も、1/2.3型よりもさらに小さくなります。iPhone 7の記事にも書きましたが、1/2.3型は8.8mm×6.6mmの大きさなので、それで1200万画素の画素ピッチなら2.2μmになるからです。

1/2.3型のセンサーは、エントリーコンデジでよく採用されています。iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8と同時期の1/2.3型のエントリーコンデジでも、2000万画素くらいしかないのも、iPhone 7の時と同じです。

写真専門機のデジカメでは、最エントリー機でも、1/2.3型のセンサー機でiPhone 7の発売時から画素数を増やしていないことが分かります。これは、超小型センサーの1/2.3型に2000万画素以上も詰め込むと、特に高感度時のノイズで画質がさらに悪くなるからです。

1/2.3型で画素ピッチが1.22μmまで画素数を詰め込むと、約3900万画素までになってしまいます。約3900万画素もの画素数は、1/2.3型よりはかなりセンサーが大きいマイクロフォーサーズ機でも、それほどの高画素にはしていません。

普段は一眼やコンデジを使っていて、iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8で、コンデジ(特に1型センサー機)の代わりに買おうと思っているのなら、iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8は、1/2.3型でなら約3900万画素も詰め込んでいる超極小画素機なので、画像処理エンジンで強力に低画質を補っていると思っていたほうがいいと思います。

iPhone Xの望遠レンズが52mm相当というところに、写真の世界でずっと言われてきた大きな意味があります。iPhone Xでは52mmを望遠レンズと言っていますが、これは一眼で言えば望遠レンズではなく、標準レンズの焦点距離です。

レンズ交換式の一眼での50mmレンズは標準レンズとして、広角風にも望遠風にも使えて、作画の幅が非常に広くて、しかも軽い単焦点レンズで持ち歩きやすいので結果的に写真を撮る機会が増えて、昔のフィルム時代から今のデジタル時代まで、長らく写真界の王道レンズとして君臨してきたものです。

望遠も広角も、超広角も超望遠も、様々な交換レンズを使ってきても、結局、最後は標準レンズに戻ってきて愛着もあって使われてきたのが、50mmレンズです。

そして、50mm単焦点レンズはレンズが明るいというのも特徴です。iPhone Xの52mm相当も開放F値がF2.4と明るい単焦点レンズなので、一眼の50mmレンズと同じ感覚でも使えます(一眼の50mmレンズと比べると、iPhone Xの52mm相当レンズは背景がボケませんが)。

52mm相当でF2.4というレンズを採用したiPhone Xは、スマホでも一眼の50mm単焦点レンズのように使えるようにしたい思いもあって、開発したのだと思います。

実際の一眼の50mmレンズは実質1万円くらいの安いレンズでも開放F値がF1.8なので、iPhone Xのほうが暗い単焦点レンズですが、一眼の標準単焦点レンズの性格を目指したiPhone Xの望遠レンズと言ってもいいと思います。

iPhoneがスマホのわりには画質がいいと言われきてのは、この単焦点レンズの性格にもあります。ズームレンズにすると、レンズの収差の問題で画質が単焦点レンズより落ちる傾向があります。iPhone Xは28mm相当から52mm相当のズームレンズにせず、デュアルカメラとして二つの単焦点レンズを搭載したことに大きな意味があります。

この単焦点のデュアルレンズは、写真専門のコンデジでも採用してこなかったものです。コンデジの場合には、単焦点レンズよりも画質が落ちても、ズームレンズで焦点距離を稼ごうとしてきました。iPhone Xを見ても、その逆で薄いスマホのボディでも画質を維持したいという思いが、単焦点レンズにつながって、単焦点レンズを2つも搭載することになっています。

コンデジがスマホに影響されて売り上げが落ちている理由の中に、このスマホが写真専門機ではないなりに、何とか画質を維持したいという思いから、単焦点レンズにこだわってきたことがあります。この単焦点レンズのおかげで、iPhoneの画質は意外によくて、それはiPhone Xでも同じになっています。

フィルム時代の一眼レフの時代から、ズームレンズに安易に頼らず、単焦点レンズで足で稼いで写真を撮ることは焦点距離の画角の感覚を直につかむためにも、 写真上達の秘訣であることは繰り返し言われて、今でも、もちろん言われていることで、このことは写真撮影の中でも重要な位置を占めています。

iPhone Xでも、単焦点レンズで足で稼いで、特に52mm相当で足で稼いで撮ってきた写真撮影を続けていると、将来的に一眼を購入した時にも標準焦点距離(50mm)の感覚がつかめて、必ず写真撮影で生きてきます。そういう意味で、iPhoneの単焦点レンズでの撮影は、一眼までの延長線上にあるとも言えると思います。

iPhone 8 Plusのメインカメラは、広角レンズは35mm換算で29mm相当のF1.8、望遠レンズは35mm換算で57mm相当のF2.8です。iPhone 8 Plusの57mm相当の望遠レンズは実質6.6mmになっているので、焦点距離がiPhone Xと同じで、やっぱりセンサーサイズは同じです。

iPhone 8の背面のメインカメラには望遠レンズがなく、iPhone 8Plusと同じ35mm判換算で29mm相当のF1.8の広角レンズしかないです。この広角レンズだけで十分ならiPhone 8でもいいですが、50mmの標準レンズのような作画の幅の広さがある撮影はできません。

iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8のインカメラは、F2.2で約700万画素です。人物撮影に向いたポートレートモードでの違いもあります。iPhone Xではインカメラでポートレートモードが使えますが、iPhone 8Plusではインカメラでポートレートモードが使えません。

さらには、iPhone 8には、そもそものポートレートモードの機能自体がないです。ポートレートモードを特に重視するなら、iPhone Xの一択になります。光学式の手ブレ補正にも違いがあって、iPhone Xはメインカメラの望遠レンズでも光学式手ブレ補正機能が搭載されて、これで広角の光学式手ブレ補正と合わせて、デュアル光学式手ブレ補正になっています。

iPhone 8 PlusはiPhone 7 Plusの時と同じで、望遠レンズに光学式手ブレ補正機能が搭載されていません。iPhone 8Plusの望遠レンズは57mm相当で、実際には一眼で言う望遠レンズの長さまではないですが、それでも57mmでは暗い場面で手ブレするので、光学式手ブレ補正がないと不便な場面が出てきます。

手ブレと被写体ブレと機構ブレとはに、手ブレのことも書いています。

モニターはiPhone Xが5.8型で2436×1125画素で、iPhone 8Plusが5.5インチで1920x1080画素で、iPhone 8が4.7インチで1334x750画素です。モニターを重視するなら、これもiPhone X一択です。

動画は4Kで60fpsで撮影できます。スローモーション動画の240fps(1080p)と、タイムラプス撮影もできます。iPhone Xには顔認証があって、iPhone 8PlusとiPhone 8は指紋認証の違いもあります。

iPhone X / iPhone 8Plus / iPhone 8で、防塵と防滴の度合いは同じです。本体の重さはiPhone Xが174g、iPhone 8Plusが202g、iPhone 8が148gです。

コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。スマホとコンデジの画質と決定的な違いに、スマホとコンデジのことを書いています。

単焦点がズームレンズより画質がいい理由とフレアとゴーストに、レンズのことを書いています。コントラストを下げて撮影したほうがいいことなどをデジカメのダイナミックレンジ ラチチュードを拡大でお薦め設定に、書いています。コンデジのフルマニュアル撮影とオート機能との違いに、マニュアル撮影の利点を書いています。日の丸構図は悪くないも書いています。関連記事は下にあります。


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