FUJIFILM GFX100のレビューと比較 1億画素も必要なのか

FUJIFILM GFX100

FUJIFILM GFX100の画素数は約1億200万画素ですが、35mmフルサイズよりも撮像素子が大きいので、画素ピッチに余裕があります。GFX100の撮像素子は43.8mm×32.9mmです。GFX100の撮像素子から見ると、APS-Cセンサーですら小さく見えるほど大きいです。

GFX100は実際には中版サイズではないので、35mmフルサイズより撮像素子が大きいラージフォーマットセンサーと呼ぶようになっています。GFX100の画素ピッチは3.8μmです。画素ピッチのことは画素ピッチの計算方法とセンサー別の数値の意味に書いています。

35mmフルサイズで1億画素もあると、3.8μmほどの画素ピッチの余裕が出ないので、ラージフォーマットの余裕がGFX100にはあります。GFX100は裏面照射型CMOSです。裏面照射型はそれまでの表面照射型よりも、高感度時のノイズが減少したセンサーです。

ISO感度はISO100からISO12800まで設定できて、1/3ステップで補正できます。35mmフルサイズより撮像素子が大きいのに標準ではISO12800までしか設定できないのは、画素数が約1億画素もあるために画素ピッチが4μmより小さくなっているからだと思います。

画素ピッチから見ても、感度領域から見ても、GFX100は35mmフルサイズで画素ピッチが5μmくらいある機種に、高感度領域とノイズ耐性で負けています。ただし、35mmフルサイズで1億画素機なら、GFX100ほどの高画質は得られずもっとノイズが酷くなった低画質になるので、35mmフルサイズでは得られない高画素数での高画質が、やっぱり、GFX100の特色です。

1億画素もあると、広大な風景が本当にその広大なままの風景写真として切り取れます。それに、将来的に見て、1億画素のラージフォーマットの画質は、ますます価値が出てくるのは間違いないです。もっとディスプレイの性能が上がって、パソコンの性能も向上して、1億画素がもっと日常的に使えるようになった頃に、GFX100の1億画素で撮った写真の価値が高まると思います。

GFX100の1億画素で思い出すのは、以前に「こんな高画素数は必要ない。1000万画素で十分」とか、500万画素で十分と言われていた時のことです。もっと前には、1メガピクセルに到達した超高画素の時代とか言われていました。確かに、20万画素機などから見ると、1メガピクセルの100万画素でも超高画素機でした。しかし、今から見ると、500万画素で十分でしょうか。4Kディスプレイで見れば、500万画素は等倍で見ても画面全体まで広がりません。500万画素は、4Kディスプレイから見ると低画素の写真に見えます。1000万画素で十分といっても、8Kディスプレイで見ると、不十分です。100万画素で十分と言われていたことに至っては、すぐ先のディスプレイとパソコンの性能の向上の将来が全く見えていなかったわけです。

GFX100の発売時期で見ると、4Kディスプレイの選択肢は値段で見ても、非常に現実的です。GFX100に比べると、4Kディスプレイは1/20以下の値段まで下がっています。実際に、4Kディスプレイで当サイトのこの記事を、今見ている人もそれなりにいるのではないでしょうか。特に、パソコンで見るディスプレイはさらに性能が向上していきながら値段が下がるのは間違いないので、8Kディスプレイなら文字が小さすぎてウェブ閲覧用には向いていないけれど、写真や動画閲覧用の8Kディスプレイなら購入したいし、実際に購入する人も増えていきます。そういう将来まで見据えて、GFX100の存在があります。

GFX100は、将来に価値ある写真を時間の経過と共に残す意味で、写真のタイムカプセルの性格もあります。「こんな高画素は必要ない。3000万画素で十分」とか、GFX100の1億画素で言われても、8Kディスプレイが広がっていった時に、GFX100で残した写真が生きてきて、さらにその先のディスプレイまでの将来まで価値ある写真を残せるのがGFX100です。

拡張ISO感度では、ISO50、ISO25600、ISO51200、ISO102400が設定できます。拡張感度 基準感度 常用感度の画質の違いに、拡張感度のことを書いています。動画の拡張感度は、ISO25600だけになっています。露出補正は±5段で、1/3ステップで調整できます。動画では±2ステップです。

GFX100の1億画素は、特に広大な風景撮影に向いていますが、ポートレート撮影ではどうでしょうか。35mmフルサイズの画素数でも、ポートレートでは女性の細かいところまで写りすぎると言われてきました。GFX100の1億画素では、さらに写りすぎて、ポートレートには不向きという声もあります。GFX100には、ポートレートの時の肌の写りがあまりに写りすぎないように調整できるスムーススキン・エフェクトの機能があります。

GFX100には、5.5段の補正効果があるボディ内手ブレ補正があります。35mmフルサイズでもボディ内手ブレ補正は難しいと言われていたのに、さらに撮像素子が大きいラージフォーマットでもボディ内に手ブレ補正を内臓しています。GFX100には、像面位相差AFもあります。コントラストAFと位相差AFと像面位相差AFの違いに、像面位相差AFのことを書いています。瞳AFもできます。

フィルムシミュレーションにETERNAが新規で追加されて、動画でも使えます。GFX100は、4Kの30pで撮影できます。HLG、F-Logもあります。4K 4:2:2 10bitにも対応しています。ドライブモードダイヤルには、動画も割り当てられています。GFX100は静止画の写真も、もちろん重視していますが、動画割り当てで簡単に動画撮影に切り替えできるのを見ると、動画撮影も重視した機種です。

一般的なビデオカメラの撮像素子は1/2.3型で、GFX100から見たらまさに豆粒センサーなので、一般的なビデオカメラを凌駕する高画質で動画が撮れます。もちろん、スマホの動画も凌駕する高画質の動画撮影ができます。背面の液晶モニターは3.2型の約236万ドットのタッチパネル式で、上に90度、下に45度、右に60度に3方向のチルト式で動かせます。3D電子水準器もあります。

GFX100には背面に2.05型で256×64ドットのモノクロのサブモニターがあるので、設定の情報表示もできます。ボディの天面にもモノクロのモニターがあって、絞りやISO感度などの情報の表示などもできます。ファインダーは0.5型の約576万ドットの着脱式で、視度調整の範囲が-4から+2です。ディオプター 眼鏡利用者の裸眼の視度調整に、視度調整のことを書いています。

GFX100のモニターは大きさと解像度が標準的ですが、ファインダーが優れています。別売のEVFチルトアダプターのEVF-TL1では、縦チルトや横回転などができて、撮影の自由度が高まります。シャッタースピードの上限は、メカニカルシャッターで1/4000秒、電子シャッターでは1/16000秒、電子先幕シャッターでは1/4000秒です。フラッシュの同調速度は1/125秒以下です。

電子先幕シャッターのことは、電子先幕シャッターのメリットとデメリットに書いています。電子シャッターとメカニカルシャッターの違いも書いています。電子シャッターでは、動く被写体を取ると被写体が歪む現象が起こることがあることをグローバルシャッターとローリングシャッターの違いとはに書いています。

GFX100は、一眼レフではなく、ミラーレスで小型化できているので、35mmフルサイズよりさらに大きいセンサーでも、本体の重さは約1155gです。これだけ大きいセンサーだとスタジオ撮影専用機のようにも思えますが、スタジオ撮影以外にも外の風景撮影はもちろん、ボディ内手ブレ補正もあるので、もっと気軽に撮影することもできます。

ボディは縦位置のグリップ一体構造になっているので、縦位置でのポートレート撮影もしやすくなっています。防塵防滴楮で、氷点下10度までの耐低温性能もあるので、GFX100はスタジオ撮影以外でも屋外でもっと積極的に使えるのも、大きな特徴です。これだけの大きな撮像素子で、屋外でも様々な撮影状況で使えるところがGFX100です。

GFX100にはType-Cの端子があるので、充電に加えて、給電もできます。バッテリーの撮影枚数は、NP-T125が2個のCIPA基準で約800枚ですが、給電もできるType-Cの端子があることで、安心して撮影できるのもGFX100のいいところです。16bitのRAW記録もできます。ボディにはマグネシウム合金が採用されています。

シャッターユニットの耐久性は、15万回です。Bluetooth Ver. 4.2と、Wi-Fiもあります。GFX100が出たことで思い返すのは、レンズ交換式がどうやって広まっていったかです。APS-Cセンサーの機種が広まるきっかけになったのは初代のKissデジタルで、そこからニコンも機種を出してレンズ交換式の市場が大きくなっていきました。

35mmフルサイズより大きいセンサーの市場では、 ボディも大きくなるので、手軽に持ち運ぶには手ブレ補正を内臓しておいたほうが気軽に持っていけます。それに、ミラーレスにしたほうが、35mm以上のセンサーでは、特にボディの小型化に効いてきます。こういうGFX100が出て、もっと安くなっていくことで、35mm以上センサーのKissデジタルに相当する機種が出てくるのか、そんなことが思い返されたのがGFX100の登場でした。

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