SIGMA dp2 Quattro レビュー 比較と評価

SIGMA dp2 Quattro

シグマのSIGMA dp2 Quattroは、総画素数が約3300万画素のFoveonセンサーの機種です。dp2 QuattroのFoveonセンサーは、3層のフォトダイオードが配置されているFoveon X3 CMOSで、23.5×15.7mmのAPS-Cサイズのセンサーです。dp2 QuattroのQuattroセンサーでは、垂直色分離の方式で、一般的なベイヤー配列のカラーフィルターは水平式です。一般的なカラーフィルター比では、dp2 Quattroは約3900万画素相当の解像度です。シグマはmerrillセンサーより、解像度が33%の向上と言っています。Quattroセンサーは、トップレイヤー、ミドルレイヤー、ボトムレイヤーの3層構造になっていて、上の層から、ブルー、グリーン、レッドの色を垂直に積載する構造になっています。

一般的なカラーフィルターには、この色の層が1つしかありません。人間の眼は緑の感受性が高いので、一般的なベイヤー配列のカラーフィルターはRGBを1:2:1で取り込んでいますが、FoveonはRGBを1:1:1で取り込んでいます。SIGMA dp2 QuattroのQuattroは3層の構造が1:1:4になっていて、その1:1:4からQuattroになっています。画像処理エンジンはTRUEⅢで、TRUEはThree-layer Responsive Ultimate Engineの略です。dp2 Quattroは、DP2 Merrillより処理速度が半分以下になっています。シグマのFoveonセンサー機の欠点は高感度撮影に強くないことで、dp2 QuattroのISO感度はISO100からISO6400です。ISO100からISO6400で、上限と下限の設定ができます。

SIGMA dp2 Quattroは低感度でじっくり撮るカメラで、高感度に優れた35mmフルサイズ機と組み合わせれば、ほとんどの場面で高画質な撮影ができます。高感度耐性に優れているキヤノンのEOS 5D Mark IIIと、低感度撮影に優れているdp2 Quattroの組み合わせなどもいいと思います。dp2 Quattroの実質の焦点距離は30mmで、35mm判換算で45mm相当の単焦点の固定レンズです。45mm相当を標準とするシグマの姿勢は、本来の標準レンズの焦点距離に合っています。標準レンズと言えば50mmとなっているのは35mm判を普及させたライカの初代機のA型に50mmレンズが付いていて、その名残で今でも50mmになっています。本来の標準レンズは、センサーの対角線の長さです。

35mmフィルムは24×36mmなので、対角線の長さは約43mmです。本来の標準レンズは43mmレンズで、SIGMA dp2 Quattroの45mmを標準レンズとしたのは、それに近くなっています。レンズの明るさの開放F値はF2.8で、F16までレンズを絞れます。絞り羽根枚数は9枚で、最大撮影倍率は1:7.6の約0.13倍です。AF方式はレンズ一体型のコントラスト検出方式なので、位相差AFは使えません。コントラストAFは精度に優れて、位相差AFは速度に優れます。AFの9点選択モードに、白とび軽減機能もあります。フォーカスフレームの大きさは、3段階に変えられます。露出補正の補正幅は±3段なので、コンデジの高級コンパクト機並の補正幅です。

SIGMA dp2 Quattroのシャッター速度の上限は、1/2000秒です。液晶モニターは3.0型の約92万ドットで、平均的な精細度です。バッテリーのBP-51で約200枚の撮影枚数です。DPシリーズはバッテリーの持ちが欠点ですが、dp2 Quattroもコンデジのエントリー機並の持ちです。記録メディアはSDカードで、RAWはロスレス圧縮で14-bitです。本体のみで410gです。ホットシューもあって、別売品に、エレクトロニックフラッシュ EF-140S SA-STTL、レンズフード LH4-01、ビューファインダー VF-41、ケーブルレリーズ CR-31、カメラケース HC-21があります。プログラムAEはできますが、シーンモードのオート機能はありません。

SIGMA dp2 Quattroには、動画機能がないのも大きな特徴です。最近のデジカメは動画機能があって当たり前で、動画が綺麗に撮れることがデジカメの次の競争段階に入っている中で、dp2 Quattroは静止画だけしか撮れません。他にも、レンズ交換式のニコンのDfにも動画機能がありません。dp2 QuattroやDfは動画機能を省略して、静止画を撮るためのカメラの原点を重視しています。動画機能がないカメラは静止画に力を入れている証拠なので、dp2 Quattroで目を見張るような写真が撮れるのは、静止画だけに重視していることもあります。Foveonセンサーは3層構造でフィルムライクな写真を目指しているのも、シグマの姿勢が出ています。

シグマの機種は、以前から独自路線のわが道を行く姿勢の代表です。グローバル化の時代の中でも、フィルムの一眼レフから築き上げてきた日本のカメラのものづくり精神が色濃くあるのは、現在ではシグマが代表になっています。シグマのカメラは、日本国内で一貫して生産している日本製のカメラです。シグマの機種は、後継機や次の機種が出るまでの期間が他の機種より長いのも特徴なので、愛機としても使えます。シグマは2002年のSD9でRAW現像専用機を出していたほどに、RAWにこだわりがあります。dp2 QuattroでSIGMA Photo ProでのRAW現像ができますが、Jpeg撮影もできます。Foveonセンサーとベイヤー配列フィルターの違いに、dp2 Quattroにも搭載されているFoveonセンサーの魅力とシグマの機種のことも書いています。

Quattroセンサーは、Quattroセンサーは何が変わったのかに書いています。SIGMA dp1 Quattroのレビューと比較に、dp1 Quattroのことを書いています。シグマのレンズとカメラ 日本のものづくりの強みと魅力も書いています。

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