Canon PowerShot G3 X レビュー 比較と評価

キヤノンのPowerShot G3 X

キヤノンのPowerShot G3 Xは、2014年3月13日に発売のPowerShot G1 X Mark IIと、2014年10月3日に発売のPowerShot G7 Xの両機種の特徴を合わせて、焦点距離をより望遠側に伸ばした機種になっています。PowerShot G3 Xの総画素数は約2090万画素で、撮像素子は1.0型の裏面照射型のCMOSです。裏面照射型は、従来の表面照射型よりも高感度時のノイズが少ないセンサーです。画像処理エンジンはDIGIC 6です。レンズの焦点距離は24mmから600mm相当で、実質の焦点距離は8.8mmから220mmです。レンズの明るさの開放F値は広角端でF2.8で、望遠端でF5.6です。24mmの広角から600mm相当以上の望遠が必要な撮影者にとって、センサーの大きさをどれにするかが悩みどころです。1/1.7型以下のセンサーでは、重量が軽くて済みます。

APS-Cサイズ以上のセンサーでは、重くなってしまいます。この重さとの兼ね合いの中で、1/1.7型以下のエントリーコンデジ並の画質を避けて、しかも、APS-Cサイズ以上の機種のように重くないほうがいいという撮影者にとっては、PowerShot G3 Xは十分な購入の選択肢の中に入る機種になっています。マクロ撮影では、レンズの先端から被写体まで広角端で5cmまで寄れます。PowerShot G3Xで600mm相当以上のズームが必要なら、約350万画素でのプログレッシブファインズームを使えば、2400mm相当までズームできます。余った画素数をズームに回しているので、画素数が少なくてもいいのならプログレッシブファインズームを使って見るといいと思います。PowerShot G3 Xは9枚羽根絞りなので、円形のような丸ボケにできます。

デジタルテレコンの機能もあって、約1.6倍と約2.0倍が使えます。デジタルテレコンとはに書いていますが、デジタルテレコンは特に便利に使える機能です。光学手ブレ補正はCIPA基準で、350mm相当の時に3.5段の補正効果があります。レンズの絞りとシャッター速度の1段刻みとその役割に、段数のことを書いています。動画撮影時には、5軸手ブレ補正が使えます。液晶モニターは3.2型の約162万ドットで、アスペクト比3対2です。約162万ドットの高精細なモニターになっています。モニターはチルト式のタッチパネルで、タッチシャッターも使えます。モニターは上に180度に動かせて自分撮りができて、下に45度にも動かせます。ISO感度は、ISO125からISO12800です。シャッタースピードの上限は、1/2000秒です。

PowerShot G3 Xは、キヤノンのレンズ一体型機として初のバルブ撮影に対応しています。ハイスピードシンクロの設定で1/2000秒でシャッターが切れるので、一眼レフのフラッシュ同調シャッタースピードとは違うレンズシャッター機の魅力です。記録メディアはSDカードです。連写は、ONE SHOT時に約5.9コマ/秒です。AFの測距点数は、31点あります。露出補正の補正幅は±3段で、補正ステップは1/3段ステップです。動画性能はフルHDの1920×1080で約60fpsで撮影できて、動画中に光学ズームも使えます。動画でもマニュアル設定で撮影できて、マニュアルフォーカスも使えます。Cinema Scope、アメリカン・ビスタ(アカデミー)、英国標準、ヨーロッパ・ビスタ(ヨーロッパ標準)、SDの5種類のアスペクトのグリッドガイドライン表示をしながら動画撮影ができます。

星空インターバル動画撮影もできます。動画ファイルはMP4で、動画の映像はMPEG-4 AVC/H.264、動画の音声はMPEG-4 AAC-LCのステレオです。レンズの絞りは、コンデジでよくあるF8までが限界ではなく、F11まで絞ることができます。PowerShot G3 Xのボディには、コントローラーホイール、スムーズリング、電子ダイヤル、露出補正ダイヤルもあります。他に、AEロックボタン、DRIVE-AFボタン、AFフレーム選択ボタンを新設しています。他にも、星空夜景、星空軌跡のモードもあります。色と光と構図の3つを自動で構成して、6種類の写真を撮影できるクリエイティブショットの機能も引き続き使えます。RAWは14ビットで記録できます。内臓フラッシュもあって、別売のスピードライトも使えます。Wi-Fiと、近距離無線通信のNFCも使えます。

GPS機能はGPSモバイルリンクで、スマホのGPS機能を使って写真に位置情報を追加できます。PowerShot G3 Xには、小雨程度なら防げる防塵・防滴のボディがあります。PowerShot G3 Xは1型のセンサーに600mm相当のレンズに加えて、この防塵と防滴のボディも大きな魅力になっています。小雨程度でも防滴機能があるので、撮影に入り込んでいる時に雨が降ってきた時の安心感が違います。防塵防滴の機能は、キヤノンのレンズ一体型機でPowerShot G3Xが初めてです。PowerShot G3 Xには外付けの電子ビューファインダーのEVF-DC1がありますが、この外付けEVFは防塵防滴は非対応です。氷点下では、動作環境外になっています。NDフィルター機能も内蔵して、3段分の光量を減光できます。バッテリーのNB-10Lで、CIPA基準で、液晶モニター表示で約300枚、エコモードで約410枚の撮影枚数です。

動画撮影の可能時間は、キヤノンの測定基準で約1時間5分です。USB充電には対応していません。PowerShot G3 Xには別売のフィルターアダプターのFA-DC67Bがあって、レンズフードのLH-DC100も装着できます。Connect Station CS100にも対応しています。本体のみで約690gになっています。G3 XとFZ1000の違いG5 XとG3 Xの違いに、違いを書いています。

コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。スマホとコンデジの画質と決定的な違いに、スマホとコンデジのことを書いています。

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