ソニー DSC-RX1を全画素超解像ズームで望遠機として使う

RX1の望遠機としての魅力

RX1は、焦点距離が35mmの単焦点機で、手ブレ補正機能もありません。そのため、RX1を購入する時に、望遠機としての性格も考えて購入を決める人は、ほとんどいないのではないでしょうか。ですが、RX1は手ブレ対策を考えるのなら、望遠機としても使えます。RX1はコンパクトで軽量なので、ミニ三脚やゴリラポッドなどを使って気軽に望遠機として使うこともできます。

RX1のズームの仕組みは、画像を切り出せる範囲で画質劣化なくズームするスマートズームと、デジタルズームのように画質が劣化しない全画素超解像ズームと、画質の劣化が目立つデジタルズームの3つに分かれています。RX1は2400万画素もある高画素機なので、その画素を使って画像を無理なく拡大することができます。

それに、RX1にはスマートテレコンバーターがあります。スマートテレコンバーターは、画像がMサイズなら1.4倍まで、Sサイズなら2.0倍まで画像を拡大できます。通常のズームとは違ったスマートテレコンバーターの特徴は、F値を保ったまま画像を拡大できることです。RX1は広角端がF2.0なので、スマートテレコンでは70mmのF2.0になります。デジタル処理のズームは、通常のズームと違ってレンズが暗くならないのが特徴になっています。

それに、画像を拡大することで、もっとマクロ側に寄れることになります。撮像素子が大きくなるとマクロ機能に弱くなるのですが、スマートテレコンを使えば拡大して寄った画像が撮れます。後でトリミングするのと違うのは、撮影する時に、拡大して構図を決めてから撮っていることです。大まかに撮った画像を後からトリミングするのと、最初から拡大して構図を決めて撮った絵に違いが出てきます。

RX1のSサイズで、スマートズームと全画素超解像ズームを合わせると、約4.5倍までズームできます。35mmの4.5倍なので、157.5mmの望遠になります。そこまでの望遠でも、Sサイズの4.6Mの画素数が残っています。そこから、さらにトリミングするだけの画素数が残っているのです。157mmまで構図を決めてから撮影して、後からトリミングすると、RX1は望遠機としての性格も持っていることになります。

正方画素の場合には、縦と横を2倍にするので、画像を2倍に拡大すると、画素数は1/4になります。460万画素の画素数を1/4にして115万画素で、315mmの望遠の画像になります。115万画素は、ウェブで縮小画像として使うなら問題ないでしょう。風景のような緻密な画像には画素数が必要ですが、圧縮した望遠の場合にはそんなに画素素は必要ないと思います。460万画素を1.5倍にトリミングすると、200万画素くらい残せます。157.5mmの1.5倍は、236.25mmです。RX1は236mmまで望遠して、200万画素くらいになります。これは、RX1が画素数に余裕があるからです。

RX1は35mmフルサイズの撮像素子なので、もともとの素子から引き出される画像が相当に上質です。そこから望遠側に画像を拡大するので、拡大した画像も綺麗です。35mmフルサイズなら画素数が多くても受光面積に余裕があるので、RX1のように画素数が多く画像が綺麗に拡大できるのを見ると、わざわざ大きくなる望遠機が必要なのだろうかという気持ちにさえなります。

それでも、全画素超解像ズームを等倍で見ると画質が落ちているのが分かります。スマートズームはクロップしているのと同じなので、画質の低下を抑えるならスマートズームまでにして、全画素超解像ズームは使わないほうがいいと思います。

RX1には手ブレ補正がないので望遠側にするほどブレてしまいます。三脚を使うのが面倒なら、RX1の上質な感度耐性に頼って、シャッタースピードを稼ぐこともできます。等倍でじっくり見ることをしなければ、感度が6400でも使えます。6400まで上げたら、シャッタースピードがかなり稼げます。こうやってRX1を望遠機として使うと、RX1の魅力がさらにまた引き出されるのではないでしょうか。

次の「ソニー RX1のF2レンズの驚きとフィルム時代の比較とレビュー」の記事に続きます。

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