RAW現像よりJPEG撮影を薦める決定的理由とは

RAW現像とJPEG撮影

RAWとJPEGについて、言われてこなかった視点も含めて書いています。

RAWはJPEGよりも編集時のレタッチ耐性があるので、せっかく35mmフルサイズの一眼レフを買ったのだからRAWで撮るべきという意見があります。高画質にこそ意味があるとなると、35mm判以上のものがあります。35mmフルサイズは便宜上そう呼んでいるもので、35mm判がこれだけ普及したのは小型で扱いやすいからでした。以下に続きます。


スポンサーリンク


センサーが大きいほど光の情報を記録できる度合いが強くなるので、高画質にこそ意味があると言いながら、小型が利点で普及した35mm判を使うのはおかしいわけです。中判の上には大判もあるわけで、35mm判は「フルサイズ」でも何でもなく、実態は、小型で扱いやすいから普及したのが35mm判のそもそもの歴史です。

それに、プロがセンサーが大きい機種を使っているのも間違いで、マイクロフォーサーズの機種で仕事をしている職業カメラマンは少なくないです。マイクロフォーサーズは35mm判よりもセンサーが小さいので、RAWで撮っても、そもそもの光を記録できる量に限界があります。プロだから画質こそ重視していると言うのは、実態と合っていません。

さらには、プロがRAWで撮るというのも間違いで、JPEGで仕事している職業カメラマンもいるのです。JPEGは、その時のその現場での瞬間に撮った時の思いを切り取ることができるからです。RAWで記録すると、後から編集すればいいとなって、写真撮影というより素材屋に近くなります。

この素材屋に近くなるのが、将来的に大問題になります。人工知能(AI) ロボットと写真業界と人類の未来に書きましたが、RAW現像は人工知能が得意とする分野です。さらには、人間型ロボットと人工知能による写真撮影は、まさに素材屋に近いRAW記録になることが多いと思います。

人工知能が勢いに乗った自体には、人間側がJPEG撮影で、人工知能側がRAW撮影で、RAW現像が人工知能が行う度合いが高まると思います。人工知能の記事に書きましたが、写真はあらゆる現場で撮る行為であるため人工知能が不得意とするものです。

現場での瞬間の思いを追い込めるJPEG撮影の意義は、人工知能の存在が大きくなるほど増していくと思います。これには、人工知能で長年問題と言われてきたフレーム問題があって、人工知能は万一のことばかり考えて行動できないのです。JPEG撮影では、RAWよりも設定する項目が多いので、この設定で万一こういう事態が起きたらなど仮の状況を考えることがかなり多くなって、撮影できなくなるのです。

そのため、人工知能は迷って撮れくなるのをJPEGより排除できるRAW向きです。RAWでは光の明暗差が後のレタッチで救済できても、JPEGでも救済できます。例えば、ソニーの機種にDレンジオプティマイザーがありますが、逆行時にも被写体にレフ板が当たっているような画像処理が自動でできるので、明暗差を自動調整したJPEG撮影ができるのです。

デジカメのダイナミックレンジ ラチチュードを拡大でお薦め設定に書いていますが、コントラストを予め下げる設定にすれば、JPEGでも白飛びの許容量が広がります。デジカメは白飛びに弱く黒つぶれに強いので、白飛びを絶対にさせてはいけないと言われます。しかし、その場でハイキー以上の露出の明るさで表現したいのなら、それで撮ってもいいわけです。こういった人間側の不規則で不完全な撮影のありようが、人工知能が不得意とすることです。

単焦点がズームレンズより画質がいい理由とフレアとゴーストに書いていますが、フレアもゴーストも基本的にはないほうがいいですが、その時の思いでフレアとゴーストで表現したいのならそれらを意図的に出して表現してもいいです。さらには、RAW記録ではピンボケが最も悪いと言われますが、ピンボケ写真を修正や補正せず写真表現にするにはに書いていますが、ピンボケも写真表現になります。デジカメのJPEG撮影時の画像処理の設定は、年々広がっています。印象的なモノクロ写真などの設定は、そのメーカー色がJPEGで出ています。

JPEG撮影はその時の感情の動きのそのままを撮ることができて、そのためにも、そのカメラにある効果モードでJPEGで撮るのは意味があります。

デジカメには、その場でのJPEG撮って出しを念頭においた機能が多くあるのに、RAW記録が前提なら、それらを一切使うなということにもなります。センサーが大きくなるほどJPEGの画質もよくなるので、JPEG撮影するならコンデジと同じともなりません。デジカメになってモニターで確認しながら撮影できるようになったのは、フィルム時代よりもその場の雰囲気をそのまま表現しているのに向いているのです。

それに、画質を何よりも重視するのなら、今までの名作と言われてきた写真とはかなり相反しています。ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」は画質だけで判断するとかなり悪いし、植田正治の鳥取砂丘での演出写真も空はザラザラだし、今でも写真にわざとノイズを足すこともあります。RAWで撮ることの意味は、写真を素材と見立てて後でレタッチすることで、オリジナルプリントとしての価値が出せることです。

写真はベンヤミンが複製芸術に関して言ったように、それまでの絵画や彫刻のような一回限りのアウラではなく、展示的価値の複製される芸術になりましたが、そんな写真でも絵画のようにオリジナルプリントに近くしたいという思いがRAW現像にあります。オリジナルプリントとしての価値を高めたい職業写真家が、RAW現像にこだわるのならまだ分かりますが、写真愛好家などもRAWで撮らないといけないことはないです。

写真によって、芸術のありようがそれまでの一点展示型芸術から庶民型芸術へ、さらに、デジタル化によって、庶民型表現になったのです。庶民型表現である写真は、絵画などとは違ってもっと撮影の幅が大きいものとしてきたのが写真史なので、作品撮りにこだわることなく、もっと自由に写真を撮ればいいと思います。

RAWで記録しておく価値が高いのは、あとになってさらに高性能の現像ソフトが出た時に、それで現像できることです。しかし、その現像時に、その時の雰囲気を思い出して現像することはできません。RAW現像の問題は、撮影した現場と時間と空間がずれていることです。しかし、写真愛好家がスマホ時代と言われようとパソコンを使うのは、パソコンの大画面で写真鑑賞がしたいことに加えて、RAW現像があるからです。

しかし、繰り返しになりますが、考えないといけないのは人工知能の存在です。人工知能は人間が現場で行う動物的勘を伴ったJPEG撮影は不得意であることを考えずに、素材集めのRAWを重視すると、写真家は人工知能に置き変わってしまうかもしれないという心配があります。人工知能時代には、人間側は、RAW現像よりもJPEG撮影が重視されるのではないでしょうか。

RAWが高画質にレタッチできるのはその通りなので、あとでレタッチを繰り返ししたいとか、現場での撮影の追い込みをしたくない場合にRAW記録をしておいたらいいです。人工知能時代でも、人工知能に対抗するにはJPEG写真で現場で撮ってだしで決められる写真家で、人間が持っている様々な現場での不規則性を伴った動物的行動を持っている強みです。

JPEGもRAWも現像しているのは同じで、JPEGはカメラ内現像でRAWはパソコンで現像することと言うのは、カメラ内RAW現像の機能を考えたらどうなるのでしょうか。RAWで記録してもパソコンを使わず、カメラ単体で現像するのです。カメラ単体の処理性能はどんどん向上していくので、カメラ内RAW現像がもっと一般的になると、RAWで現像するのはカメラですることが一般化することになります。カメラ内RAW現像の機能があるのは、RAWで記録してもその場でJPEG変換するためで、これはRAW記録でもその場の瞬間の思いを大切にしたいことのあらわれです。

RAWは現場でJPEGよりも撮影で考えることが少ないので、むしろ、初心者向きです。

他の記事にも書きましたが、「RAWはカメラに写真を撮られる、JPEGは写真家が主体的に写真を撮る度合いが高く、写真をカメラから写真家に取り戻さないと写真は機械に取られて人間から浮遊してしまう」問題があります。

JPEG撮影はRAWより上級者向けカメラ内RAW現像はどんな時に使えばいいのかも、書いています。

コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。単焦点がズームレンズより画質がいい理由とフレアとゴーストに、レンズのことを書いています。コントラストを下げて撮影したほうがいいことなどをデジカメのダイナミックレンジ ラチチュードを拡大でお薦め設定に、書いています。コンデジのフルマニュアル撮影とオート機能との違いに、マニュアル撮影の利点を書いています。日の丸構図は悪くないも書いています。関連記事は下にあります。


スポンサーリンク


関連記事