Panasonic DMC-FZ1000 レビュー 比較と評価

DMC-FZ1000

パナソニックのLUMIX DMC-FZ1000は、2012年8月23日に発売されたDMC-FZ200の後継機です。総画素数は2090万画素で、画像処理エンジンは4CPUのヴィーナスエンジンです。撮像素子は1.0型(13.2×8.8mm)で、レンズの焦点距離は25mmから400mm相当です。前機種のFZ200が1/2.3型で、レンズ一体型の中でも特に小さいセンサーを使っていたので、FZ1000の1.0型になってセンサーが飛躍的に大きくなりました。1.0型なので、実質の焦点距離も伸びて、9.1mmから146mmになっています。レンズの明るさの開放F値は、広角端でF2.8で、望遠端でF4.0です。FZ200は広角端から望遠端までF2.8通しでしたが、FZ1000は1.0型になったことで、望遠端のF4.0であってもFZ200より大幅に性能が上がっています。FZ1000は、実質で146mmのF4.0で400mm相当なので、中間域の200mm相当の実質で73mm付近を使って背景をボカすこともできます。

DMC-FZ1000は1.0型なのに、レンズの絞りがF8までしかないのが欠点です。それに、NDフィルターも内臓していません。FZ1000で、1.0型の大型センサー化の以外で注目する機能は、4K動画が撮れることです。MP4で、3840×2160(約100Mbps)の30pの4K動画が撮れます。4K動画が撮れるのは、レンズ一体型ではFZ1000が初めてです。4K動画が撮れる利点は、もちろん、動画撮影の機能にもあります。それに加えて、4K動画から静止画が切り出せることも魅力です。FZ1000の4K PHOTOで、4Kで撮った動画の中から、3840×2160の829万画素で切り出すことができます。フレームレートの30pの動画の中から829万画素で一枚の静止画が切り出せるので、写真撮影での瞬間の撮影が難しい場面でも、4K動画から写真ができます。

今までの動画撮影の中からも静止画を取り出すことはできましたが、画素数が少なすぎました。4K動画なら829万画素なので、その画素数で十分なら、4K動画は瞬間の写真撮影のためにも使えます。FZ1000は、今までのデジカメよりも動画と写真の垣根が近づいた機種になっていて、その中で静止画の写真に主軸を置いた機種になっています。FZ1000のマクロ機能は、静止画と動画の広角端で、レンズの先端から被写体まで約3cmまで寄れます。1.0型の大型撮像素子なのに、FZ1000の広角端のワイドマクロ機能はかなり優秀です。AFは空間認識AFで、コントラストAFの機能を高速化したものです。コントラストAFは精度に優れて、位相差AFは速度に優れます。この双方の利点を合わせたのが、レンズ一体型のもともとのコントラストAFに加えて、センサーに像面位相差AFを組み込むことです。

DMC-FZ1000は像面位相差AFではなく、コントラストAFの速度そのものを高める空間認識AFの方向性です。コントラストAFの精度に速度が加われば理想的なAFになることと、余分な像面位相差AFをしないことでセンサーの欠損を防ぐこともできます。AFの測距点数が49点とFZ200より大きく増えて、AFエリアの選択もできるようになっています。ズーム倍率は、iAズームの超解像で32倍の800mm相当までできます。超解像は、デジタルズームの劣化を抑えたデジタル処理のズームです。EX光学ズームでは、記録画素数が5M時に32倍の800mm相当までズームできます。EX光学ズームは、余った画素数を使ってズームするクロップなので、5Mでいいのなら画質の劣化はありません。ISO感度は静止画でISO125からISO12800までで、拡張ISO感度を使えば、ISO80、ISO100、ISO25600まであります。前機種のFZ200よりも、高感度耐性が飛躍的によくなっています。動画では、ISO6400までです。

DMC-FZ1000のシャッタースピードの上限は静止画で1/4000秒(メカシャッター)、電子シャッターで1/16000秒です。露出補正の補正幅は±5段で、レンズ交換式の最上位機と同じ補正幅です。動画での露出補正は、±3段です。液晶モニターは3.0型の92万ドットで、モニターは横に約180度、上下に約270度の回転ができます。EVFは0.39型の約236万ドットで、視野率は約100%、ファインダー倍率は約1.88倍で、35mm判換算では約0.7倍です。35mm判換算で約0.7倍のファインダー倍率は、ニコンのレンズ交換式の最上位機のD4Sの光学ファインダーの倍率と同じです。FZ1000のEVFは、レンズ一体型はもちろん、一眼レフも含めても最高レベルの高倍率ファインダーです。約236万ドットのEVFも、高精細で使えます。FZ1000は液晶モニターは平均的な精細度ですが、EVFの性能がかなり向上しています。

DMC-FZ1000の視度調整の範囲は、-4~+4diopterです。視度調整のことは、ディオプター 眼鏡利用者の裸眼の視度調整に書いています。連写性能は、メカシャッターと電子シャッターのAF追従連写で約7コマ/秒、電子シャッターでは最高で約50コマ/秒で最大60コマの連続撮影枚数です。AF追従連写で約7コマ/秒も、かなり優れた連写性能に入ります。カメラ内でのRAW現像もできます。ローライトAFで-3EVまで対応しているので、暗所でのAF性能もあります。AFサイズの大きさを変更できる1点AF、顔と瞳の認識AFもあります。手ブレ補正は、静止画でPOWER O.I.S.、動画でアクティブモードの5軸ハイブリッドです。フルHDで120fpsのスローモーション動画のハイスピード動画も撮れます。インターバル撮影とコマ撮りアニメも撮れます。

DMC-FZ1000には、別売ステレオガンマイクロホンのDMW-MS2の装着もできます。後ろのダイヤルで絞り値とシャッタースピードの調節もできて、マニュアルリングでMF操作もできます。5段階の速度で滑らかにズームすることもできて、あおりと水平傾きの2方向に対応した電子水準器もあります。FZ1000のようなレンズシャッター機はもともと静音撮影に向いていますが、さらにサイレントモードもあります。レンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターの違いとはに、レンズシャッターのことを書いています。撮影中に、ハイライトとシャドウを調整して撮影できるリアルレタッチと呼んでもいい機能もあります。多重露出もできて、パノラマ撮影に18種類の効果で撮影できるクリエイティブパノラマもあります。シーンガイドにはプロのカメラマンが撮った25種類の写真があって、その中から好みの写真を選んでカメラが自動でその写真に合わせた最適な設定で撮影できます。

DMC-FZ1000にもおまかせiAがありますが、カメラ任せにすると特に白と黒が入っている被写体では露出が不安定になるので、自分で露出補正をして撮ったほうがいいと思います。記録メディアはSDカードで、UHS-I スピードクラス3に対応しています。Wi-Fiでスマホからリモート操作ができて、近距離無線通信のNFCもあります。QRコードを使って、スマホで接続することもできます。GPS内蔵のスマホでのGPSジオタギングもできます。バッテリーのDMW-BLC12で、CIPA規格で約360枚の撮影枚数です。本体のみで約780gです。FZ1000の背景のボケかたは、二線ボケをなるべく抑えています。起動時間は、約0.66秒です。別売のワイヤレスフラッシュのDMW-FL580Lも使えます。MIC端子があるので外部マイクも使えて、HDMI端子もあります。FZ1000は運動会などはもちろん、風景やポートレート、屋内での発表会やスポーツ撮影などにも使えます。FZ1000の重さとサイズが許容できるなら、一台で済ませることもできます。

ファームウェアVer.2.0で、4Kフォトモードが使えるようになっています。

DC-FZ1000M2のレビューと比較

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