鉄道写真家 中井精也氏の写真 テレビ東京『ソロモン流』を見て

鉄道写真家の中井精也氏

テレビ東京の『ソロモン流』(2013年4月21日(日)放送分)に、中井精也氏が出ていたので見ていました。今回はその番組の内容と、それを見ていて思ったことを書いてみます。中井精也氏は、鉄道写真家の真島満秀氏に師事した後に独立して、ゆる鉄の写真で知られている鉄道写真家です。最初に渋谷駅でファインダーも全く見えない遥か上の位置までカメラを高く掲げて、鉄道写真を撮っていたのが、まず印象的な光景でした。以下に続きます。


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番組の最初から何枚か写真が紹介されていましたが、中井精也氏の鉄道写真は前景を生かした写真が特徴的だと思いました。前景の前ボケを取り入れて、玉ボケさせる写真は被写体を際立たせます。中井精也氏はこれを鉄道写真に取り入れて、ゆる鉄の雰囲気をふんわりと出していました。玉ボケはレンズを少し絞って、レンズのボケを玉のように見せることです。レンズを少し絞るのは、レンズの絞りが開放だとボケがラグビーボール状になって汚く見える口径食になることがあるからです。

前景に葉っぱを入れて葉っぱを前ボケさせる「葉っぱイルミネーション」で葉っぱの玉ボケをイルミネーションに見立てた鉄道写真が出ていましたが、中井精也氏の写真の特徴として紹介されていました。中井精也氏が散歩のように撮る時には小型のデジカメで十分で、高性能の機種とは大きく伸ばせば違うが、そんなに変わらないというようなことも言われていました。

中井精也氏は、「同じ仕事をするなら楽しみながらやるべき。そっちのほうがいい写真が撮れる」と言って、写真を撮る合間に食事をしていました。『世界一わかりやすいデジタル一眼レフカメラと写真の教科書』は累計10万部も売れたそうで、書く原稿が沢山ある状況を原稿沼と呼んでいていました。出羽公園での撮影の場面で、淡い緑の中を電車がまるで流れていっているようと形容されていた流し撮りをした鉄道写真は印象的でした。そういう全然見た目と違う写真を撮ることができるカメラは魔法の箱と言っていました。

父親からカメラを譲り受けて写真の魅力にはまって、雑誌『鉄道ジャーナル』に「弧影」の作品が掲載されていました。田んぼのあぜ道で写真部の高校生に講師をしたり、小湊鉄道のローカル線が写っていました。写真部の高校生の写真が左右に空間が開いているのを見て、左右の空間を切り詰めて、被写体を魅力的に見せるというようなことも言っていました。中井精也氏の鉄道写真の自由な発想に、汽車を手でつかむような写真を撮ってみたり、大胆に自分の影を入れたり、空の空間を大きく取って大胆に空の青を入れていました。ゆる鉄のポイントは、「主題を画面の中央に置かない」ことのようです。

他に番組内では、北九州の平成筑豊鉄道が出ていて、ローカル鉄道線巡りをしていました。自分が鉄道写真家であることを断って、その人に夢などを聞きながら記帳して、写真を撮っていました。東日本大震災からの復旧で2年ぶりの三陸鉄道での撮影時には、こみ上げてくる気持ちを抑え切れていませんでした。三陸鉄道には、震災以前からずっと撮影に行っていたようです。番組の最後のほうで、好きなことに熱中しているとどんなに忙しくても辛くないと言っていました。荒川区の喫茶店のファントムで自家製プリンを食べたり、もんじゃ焼きを食べたり、食べる場面が結構出てきていました。

キャンピングカーで撮影場所に行って、そこで寝て撮影に備えていたことなど他にも番組の描写はありましたが、ゆるい鉄道写真を撮ることで一般の人にも鉄道の魅力が伝わればいいのが原点と言っていたので、ゆる鉄で鉄道写真の魅力を広めたいという思いが強いのだと思います。

中井精也氏の写真はブログの写真なども見ると、電車を小さめの構成にして、逆に印象を強くする写真構成にしているのが目を引きます。前景を使って前ボケさせたり、流し撮りをしたりしながら、ふんわりと撮ることでゆる鉄と呼ばれるジャンルを作っているのだと思います。電車以外の乗り物で飛行機の場合なら、前景に菜の花などを入れて前ボケさせ、望遠レンズで飛行機を捉える描写などもあります。前ボケの玉ボケを取り入れてお気に入りの小物を撮ったり、玉ボケを取り入れると幻想的な雰囲気になります。

葉っぱイルミネーションや、撮影者自らが意図的に手を伸ばして汽車をつかんだり、自分の影を入れたりして、撮影者をその撮った写真から遠ざけようとしないのも中井精也氏の写真の魅力だと思いました。中井精也氏の写真は、「写真と撮影者が近くにいることを忘れない」というのも特徴的な面だと思います。コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。


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