コンデジは一眼レフより綺麗な写真を撮るのが難しい上級者向け

コンデジが一眼レフより上級者向けの理由

前の02の「現在のデジタル一眼レフは一眼レフという名の優秀なコンデジ」の記事からの続きです。

デジカメ時代の一眼レフはサイズと重さを除けば、むしろ、コンデジよりも扱いやすいと思います。コンデジはサイズが小さくて気軽に撮れるのはいいのですが、一眼レフに大きく勝っているのは、そのサイズによる気軽さです。今の一眼レフは値段も安くなっているので、コンデジ、特に高級コンパクト機と一眼レフのボディの値段が同程度なのも珍しくありません。コンデジの一眼レフに対する価格面での優位性も、なくなってきています。

コンデジで写真を撮ると、被写界深度(ひしゃかいしんど)が深い、高感度耐性が低い、シャッターチャンスに弱い、このよくある三重苦もあって、似たような写真ばかりが量産されます。被写界深度は、ピント面が合っているように見える範囲のことです。被写界深度が深いとピント面が合う範囲が広くなって、風景の記念写真のようになります。結局、金太郎飴みたいな写真ばかりになって、写真の表現の幅が広がりません。被写界深度が深いことによる利点は、気軽に誰でもシャッターボタンを押せば似た写真が撮れることです。コンデジの被写界深度の深さで開放F値からピント面が合うので、シャッタースピードが簡単に稼げる利点もあります。

コンデジでも写真の幅を広げて撮ることもできます。そのためには、それこそ、そのコンデジの機能を駆使しないといけません。オート機のコンデジであっても、ホワイトバランス、露出補正、ISO感度の設定はできます。それに、オート機のコンデジでもシーンモードが多くあります。そのような機能を使って、オート機のコンデジで撮ったとは思えない写真も撮れます。

ですが、コンデジのほうが機能の制限が様々な面であるので、一眼レフよりも、綺麗に撮るのはかなり難しいです。コンデジは、明暗差のダイナミックレンジも狭くてすぐに白飛びする大問題があります。白飛びが大問題なのは、飛んでしまったところは画像の情報がないので、どうしようもなくなるからです。マニュアル機のコンデジでも、一眼レフよりも綺麗に撮るのは苦労します。コンデジで綺麗に撮影するほうが、余計に技術が必要で面倒な作業も必要になります。シャッターボタンを押せば綺麗な描写が得られるという意味では、オートモードがあるデジタル一眼レフに勝るものはないです。

コンデジでもうまく機能を引き出せば綺麗に撮れますが、それをやるのならば、最初から一眼レフにしてその一眼レフの機能を引き出して撮るほうが、遥かに綺麗な写真が撮れます。一眼レフがコンデジに限らずミラーレス一眼と比べて問題になってくるのは、その大きさと重さです。その一眼レフのサイズが許容できるのなら、一眼レフを使ったほうがいいと思います。ただし、一眼レフの光学ファインダーは、眼鏡常用者にとって裸眼で見にくい欠点があります。眼鏡利用者と一眼レフのファインダーに眼鏡利用者とファインダーのことを書いています。

デジタル一眼レフを使って撮影して、その撮影画像をその場で確認していったほうが、写真の腕も間違いなく向上していきます。一眼レフの問題であるサイズが気になるのなら、できるだけ小さな一眼レフ機を使えばいいと思います。サイズさえクリアすれば、一眼レフほどシャッターボタンを押せば綺麗に撮れるカメラはないです。

その意味で、最も初心者用であるのはオートモードのある一眼レフと言ってもいいくらいです。オートモードに合わせてシャッターボタンを押せば、あらゆる場面で、コンデジより綺麗な写真が簡単に撮れます。ミラーレス一眼のソニーのαシリーズが背面液晶でのAFの合焦速度が特に早くて使いやすかったのが、それから、一眼レフの背面液晶のAF速度もかなり向上しました。今の一眼レフは、背面液晶を使ったライブビュー機能でコンデジ感覚で撮影できるまでになっています。

今のデジタル一眼レフキットのレンズに手ブレ補正機能があるのも当たり前なので、手ブレも防げます。コンデジをずっと使い続けても、写真表現に限界があります。むしろ、撮影表現に制約がある中でどのように印象的な写真を撮るか悩んで撮影するコンデジこそが、上級者用のカメラとも言える皮肉な状況になっています。

この皮肉は、デジタル一眼レフの機能にライブビューに代表されるコンデジの利点を取り入れていって、デジタル一眼レフこそが初心者が簡単綺麗に撮るのに最もふさわしいカメラになったからです。このデジタル一眼レフのコンデジ化現象による痛烈な皮肉の状況の中で、一眼レフよりコンデジのほうが上級者用とでも言えるカメラ事情になりました。一眼レフの背面液晶でタッチシャッターもできるようになったので、デジタル一眼レフのスマホ化まで進んでいるのが現状です。

次の04の「コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とは」の記事に続きます。単焦点がズームレンズより画質がいい理由とフレアとゴーストに、レンズのことを書いています。コンデジのフルマニュアル撮影とオート機能との違いに、マニュアル撮影の利点を書いています。コントラストを下げて撮影したほうがいいことなどをデジカメのダイナミックレンジ ラチチュードを拡大でお薦め設定に、書いています。関連記事は下にあります。


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