一眼レフから光学ファインダーはなくなる?35mm判の原点回帰

一眼レフと光学ファインダー

デジタル一眼レフから、光学ファインダー(OVF)はなくなるのでしょうか。今回は、このことを考えてみます。レフレックスミラーがなくなるとデジタル一眼レフがなくなって、ミラーレス一眼になります。ソニーのαシリーズがトランススルーセントミラーで一眼レフとミラーレス一眼の長所を合わせたデジタル一眼を出していますが、そのソニーのαシリーズは電子ビューファインダーのEVFです。光学ファインダーの重要性が薄れているのは、メーカーの交換ファインダーへの姿勢でも分かります。

ニコンのF6は、フィルム一眼レフの最後のフラグシップ機になります。そのF6でさえも、2004年発売のF6からは交換ファインダー方式ではなくなりました。F6でさえそうなので、今現在のフィルムの一眼レフで交換ファインダー方式のものはありません。ここから、カメラメーカー自らが、光学ファインダーを以前よりも重要視していないのでは、と思っています。

一眼レフが一眼レフの形状をしているのは光学ファインダーがあるからで、光学ファインダーの歴史と一緒に一眼レフの発展がありました。クイックターンミラー、ペンタプリズム、自動絞りで、一眼レフの快適な光学ファインダーがあります。

一眼レフにあるミラー(レフレックスミラー)で光を反射して、ファインダーから被写体が見えます。そのミラーのクイックターンミラーで、ミラーが跳ね上がって光を通して露光し、自動的にミラーが戻ります。一眼レフの前面上部にある五角形の飾りもののようにも見えるのは、ペンタプリズムです。

ペンタプリズムがあることで被写体を正しい位置に戻して、ファインダーを覗いて見えたままの被写体の形で見ることができます。それに、自動絞りがあります。レンズを絞り込むとファインダー像が暗くなるので、撮影時だけ絞ってすぐに絞りを開放してファインダーを明るくするのが、自動絞りです。

今まで一眼レフの光学ファインダーはパララックス(視差)がないことが利点でしたが、EVFにもパララックスがありません。EVFなら、光学ファインダーより簡単に100%の視野率を達成できます。光学ファインダーでできていたことは電子ビューファインダーで実現できて、それ以上のこともEVFでできるようになりました。可動性の液晶モニターなら、光学ファインダーでは困難な極端なアングルが可能なので、写真表現の幅が広がります。

光学ファインダーがなくなるのでは?と本当に思うのは、メーカーのファインダーの姿勢にもあらわれていますが、ライブビューがあるデジタル一眼レフを見ると、光学ファインダーは本当にどうなっていくのでしょうか。一眼レフの背面液晶のライブビューが便利だからとそのライブビューを主に使うと、一眼レフの光学ファインダーは付属品の位置になって、一眼レフではなくライブビュー一眼になってしまいます。

ライブビューを使う時にはミラーが上がって光学ファインダーが使えないので、ミラーと光学ファインダーが邪魔な存在になっています。EVFがOVFよりも劣っているのは、タイムラグです。特に顕著なのは、オリンピック競技の50m走時の連写などでEVFのファインダー内がカクカクするので、そのような時に光学ファインダーの強さが分かります。

最新のミラーレス一眼の内臓EVFでも、動き回る被写体を撮る時にタイムラグがあります。EVFではそのような被写体には先読みして予想して撮るか、連写機能を使うなどしてEVFの性能を補わないといけません。逆に言うと、静物の風景撮影なら、EVFでも十分です。本当に光学ファインダーの存在理由が問われるのは、背面液晶のライブビューや電子ビューファインダーが光学ファインダー並のタイムラグを達成した時です。

EVFは情報表示が光学ファインダーよりも優れていて、被写体を拡大表示できるのでマクロ撮影にも強いです。EVFの拡大表示コントロールを使えばマクロ撮影での正確なピント合わせが可能になっているので、OVFの性能はマクロ撮影でEVFに劣っています。ミラーレスならばミラーショックがないので、手ブレにも優しく静かに撮影できます。

それに、ミラーレスになると小型化できるのは、ミラーレス一眼を見ても明らかです。そもそもの35mm判カメラは、その元になったレンジファインダー機のライカA型を見ても小型軽量だったのが、レフレックスミラーの一眼レフでどんどん大きくなっていきました。それをミラーレスで元の35mm判カメラの理想に戻そうとしているのがデジカメだと言えるかもしれません。

次の02の「光学ファインダー OVF 電子ビューファインダー EVF 一眼レフの将来」の記事に続きます。老眼と視度調整 ミラーレス一眼のEVFが救世主も書いています。

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