Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM レビュー 比較と評価

EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

キヤノンのEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM(型名はEF100-400LIS2)は、1998年11月に発売したEF100-400mm F4.5-5.6L IS USMの後継モデルです。16年ぶりのモデルチェンジになっています。EF100-400LISは1998年に発売されていますが、それ以前から企画されていたレンズです。旧型のEF100-400LISは、フィルムカメラが主流で全盛期の頃のレンズです。デジカメのコンデジが広まっていった端緒は1995年発売のカシオのQV-10ですが、1998年はまだフィルム一眼レフが主流の頃です。その頃のレンズなので、デジカメ時代のレンズとしてモデルチェンジされるのをずっと待望されていたレンズが新型のEF100-400mm F4.5-5.6L IS IIです。以下に続きます。


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焦点距離は100mmから400mmですが、このレンズの特性としてAPS-C機で使うことが多いと思います。キヤノンのAPS-C機では35mm判換算で約1.6倍になるので、160mmから640mm相当になります。EF100-400LIS2は、特に飛行機や野鳥撮影などで使われるので、640mm相当になるとかなり使いやすくなります。問題なのは広角端が160mm相当になるので、100mm時には撮れた画角では撮れなくなります。望遠端は画質は落ちてもトリミングやエクステンダーで伸ばせますが、広角不足は写真が存在しないので対応しようがありません。APS-C機で使うのなら、160mm相当時の広角不足の対応も必要になります。

最小絞りは最広角端でF32、最望遠端でF40です。絞り羽根枚数は9枚で円形絞りです。前モデルのEF100-400LISは、8枚でした。EF100-400mm F4.5-5.6L IS IIは、最短撮影距離が0.98mで最大撮影倍率が望遠端の400mm時に0.31倍になっているのも大きな特徴になっています。前モデルのEF100-400LISの最短撮影距離は1.8mで、最大撮影倍率は0.2倍だったので、後継モデルになってかなり被写体に寄れるようになっています。このマクロ性能も、EF100-400mm L ISとEF100-400mm L IS IIの大きな違いになっています。手ブレ補正効果は、400mm時にEOS-1D Xを使って、CIPA基準で4.0段です。

旧型のEF100-400LISは、約2段分の手ブレ補正効果でした。レンズの絞りとシャッター速度の1段刻みとその役割に、段数のことを書いています。レンズコーティングは、フレアとゴーストを抑えるASC(Air Sphere Coating)があります。フッ素コーティングもあるので、レンズ面に汚れが付きにくくなっています。レンズ構成は16群21枚で、蛍石が1枚、スーパーUDレンズも1枚あります。非球面レンズはありません。フィルター径は77mmです。前モデルのEF100-400mm F4.5-5.6L ISとの画質の違いは、前モデルは400mm付近の解像度が甘くなっていましたが、後継モデルではそれより望遠端まで解像した描写になっています。

ズーム方式も変わっています。前モデルは直進式でしたが、後継モデルでは回転式になっています。ズーム操作の回転式と直進式では、回転式が画角の微調整の面で有利で、直進式は広角端から望遠端まで素早く移動できる利点はあっても、この操作面での画質の優位差はありません。EF100-400LIS2の回転式ズームは回転角が狭くなっているので、ズーム操作が早くなっています。1998年のレンズと2014年のレンズの違いが出ているのは、動画撮影のことも考えている点です。回転式のほうがズーム操作が微調整できるので、動画撮影に向いています。EF100-400mm F4.5-5.6L IS IIは、インナーズム式ではなく繰り出し式です。

インナーズーム式はズームをしても鏡筒が伸縮で動かないですが、繰り出し式は鏡筒が伸縮します。ズーム比率が小さいレンズなら、インナーズーム式を採用できます。繰り出し式はズームによってレンズが伸びるので、前玉の重さが鏡筒をガタつかせたり、たわませたりするので、画質を維持するのがインナーズム式より難しくなっています。レンズのズームリングとピントリングの間に、SMOOTHとTIGHTの矢印の方向ででトルク負荷を調整する調整リングもあります。レンズフードはET-83Dの筒型なので、カメラをフード側にして平面に一旦置くこともできます。フードを逆向きにしての収納もできます。

レンズフードには円偏光フィルター操作窓があるので、その窓で、フードを付けたままでもPLフィルターの操作もできます。EF100-400LIS2になって防塵防滴レンズになっていますが、前モデルは防塵防滴ではありませんでした。レンズの操作部には、AFとMFの設定、FULLと3m-∞の撮影距離範囲の設定、手ブレ補正のONとOFF、手ブレ補正モードの1、2、3の切り替えのスイッチがあります。手ブレ補正モードの3はシャッターを切る時だけに手ブレ補正が動作するので、激しいスポーツ撮影時でのフレーミングで有利です。三脚座は台座と、鏡筒にあるリング部を分割できるようになっています。

EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMはキヤノンのLレンズで高価なので、別のもっと安い望遠レンズにしようか迷っている声も多く聞きます。このEF100-400LIS2は、本当に値段が高いのでしょうか。前モデルから16年ぶりにモデルチェンジしたように、Lレンズの中でも100mmから400mmの望遠レンズは後継モデルのための技術更新に時間がかかります。EF100-400LIS2から後継モデルになるためには、後継としてふさわしいと認めるだけの新技術ができないと後継モデルは出てきません。EF100-400LIS2は、前モデルよりも技術更新ができたから後継モデルとして発売までできたのです。

EF100-400LIS2は、写真を仕事とするカメラマンはもちろん、写真に特にこだわりがあるアマチュア層にも納得できるレンズになっています。望遠ズームが必要で飛行機撮影などが多いキヤノンユーザーなら、EF100-400LIS2はぜひ持っておきたいレンズの1本です。モデルチェンジまでの期間も考えてもレンズは長く使えるので、それを考えると、EF100-400LIS2の値段は特別高いとは言えないと思います。EF100-400LIS2の不得意な撮影は、室内競技での動体撮影です。望遠ズームだから望遠での動体撮影はしたくても、EF100-400LIS2は400mmの望遠端でF5.6なので、特に体育館での動体撮影ではシャッタースピードの確保に超高感度撮影が必要です。

EF100-400LIS2の付属品には、レンズフードの他に、レンズキャップのE-77II、ジッパーケースのLZ1326があります。EF100-400LIS2は、EXTENDER EF1.4×II/III、EF2×II/IIIと、エクステンションチューブEF12II/EF25IIが使えます。エクステンダーなどに頼ると、使えるF値が狭まって、選択できるAF測距点も制限されて、画質も低下します。エクステンダーなどでなく、APS-C機で望遠レンズを使うのは、望遠レンズの焦点距離の上に、さらに焦点距離が伸ばせる利点だけではなく、そのレンズの開放F値のままの性能を存分に使ったAF性能を発揮できることも大きな長所です。EF100-400LIS2は三脚座を除いた本体のみでは約1570gで、前モデルの1380gより重くなっています。EF100-400LIS2の三脚座も含めた重さは、約1640gです。

コンデジが一眼レフを超える時 訴える力のある良い写真とはに、コンデジでも訴える力のある写真が撮れることを書いています。単焦点がズームレンズより画質がいい理由とフレアとゴーストに、レンズのことを書いています。コントラストを下げて撮影したほうがいいことなどをデジカメのダイナミックレンジ ラチチュードを拡大でお薦め設定に、書いています。コンデジのフルマニュアル撮影とオート機能との違いに、マニュアル撮影の利点を書いています。日の丸構図は悪くないも書いています。関連記事は下にあります。


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