ボケの4要素 ボケの大きさとボケの質のコントロール

ボケの量とボケの質

ボケのことでよく言われるのは、ボケの4要素です。レンズの絞り値のF値、焦点距離、撮影距離、被写体と背景の距離の4つの要素で、ボケが決まるとよく言われています。これは確かにそうですが、この4要素はボケの大きさのボケ量のことを言っているにすぎません。

開放F値がF2.8のレンズで絞り値を開放のF2.8にして、焦点距離が50mm、被写体との撮影距離を近くにして、被写体と背景を離せば、キットレンズに付いてくる実質の焦点距離を50mmにした時の開放F値がF5.6のレンズよりは、背景をボカせます。以下に続きます。


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このボケの4要素は、カメラ側の設定の絞り値と焦点距離に、カメラ機構とは関係がない空間距離に分けられます。このボケの4要素でカメラのボケを語るのが問題なのは、ボケ味のボケの質がどこかに行っているからです。

それに、ボケの大きさに関しても、この4要素だけでは不十分です。撮像素子のセンサーの大小のことを重視していないのは、フィルムからデジタルに切り替わっても、露出はシャッタースピードとレンズの絞りの2要素で決まると言っているようなものです。

デジカメ時代の露出はISO感度で3大パラメーターにから、露出のことを書いています。

デジカメになってからは、センサーの大小でボケ量は大きく変わります。1/2.7型センサーのコンデジなどでは、実質の焦点距離が非常に短いので、ポートレートで背景をボカすことの現実性がありません。ボケの大きさを重視するのなら、APS-Cセンサー以上の機種がいいです。

背景がボケればいいからと開放F値で使うと、収差の影響で画質が低下することがよくあります。1段以上絞って使ったほうが、画質が改善してよくなります。開放F値がF1.4のレンズなら1段絞ってもF2でまだ明るく、背景もボカせます。

関連記事 レンズの絞りとシャッター速度の1段刻みとその役割

これが開放F値がF2.8のレンズなら、1段絞るとF4になります。F4だと、APS-Cのセンサーでも背景がそんなにボケずに、被写体を浮かびあらせることができずに、明るくもなくなります。ただ背景のボケ量しか考えていないボケの4要素は、このようなボケの質については考えていません。

さらに、これとは逆に、その収差を使ってボケ味を出すこともできます。特に、球面収差での滲みのあるボケ味が写真に味わいをもたらすことがあります。50mmレンズの開放F値のF1.4のままで撮影する時には、この収差を残したボケ味のためにすることがあります。

球面収差があるほうが、絞りで変化する度合いが高いので、表現の幅も広くなります。ボケの質の変化の幅がどれだけあるかということも、ボケの4要素では分かりません。さらには、ボケの質を重視するなら、単焦点レンズのほうが優れています。

単焦点レンズのほうがボケに味があるのは、特に、エッジが柔らかくボケるからです。ボケの4要素は、あくまでボケの大きさのことを言っているだけで、ボケの質をコントロールすることとは別です。そして、写真表現では、ボケの量よりも、ボケの質のほうが重要です。

ボケ量だけで写真が決まるのなら、開放F値がF1.4以下のレンズで、常に開放F値で使えばいいだけになってしまいます。その被写体によって、ボケに滲みを出したいから開放F値のまま使うとか、背景の状況もある程度入れたいから、F4まで絞るとかを決めるのがボケの質を制御することです。

開放F値が明るいレンズは、開放F値での収差を残したボケ味表現、1段以上絞っての収差を改善した表現でもまだ明るく、背景の説明状況のボケの質のコントロールができるから優れていて、ボケの大きさが得られるからのみで優れているわけでもないです。

それに、ボケの4要素にある被写体と背景との距離にはない、前ボケもあります。光学理論上で、背景の後ボケよりも前ボケのほうがさらにボケます。主要被写体の前にある対象物にグッと近づいて前ボケさせて、背景もボカすと、前ボケのアクセントで印象的な写真になります。

ボケの4要素はボケ量に対する言及で、ボケの質をコントロールすることは考えていないし、そのボケの質のほうがボケ表現で重要なことを認識して、ボケの4要素を考えればいいと思います。二線ボケが抑えられて、点光源が丸く写って、ボケとの境界線がなだらかにやわらかく、とろけるようにボケていくボケ味があるレンズの質は、ボケの4要素のボケ量では分からないです。

レンズのボケ量の簡単な計算に、ボケの大きさの簡単な計算のことを書いています。ピントとは 点でなく面で合う実像面に、ピント面のことを書いています。

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