フルサイズはAPS-Cより画角でボケ味表現の空間が作れる

フルサイズがAPS-Cよりボケやすい理由

35mmフルサイズ機はAPS-C機よりもボケやすいですが、その前提として、50mmレンズの焦点距離自体はフルサイズでもAPS-Cでも50mmで同じです。50mmの焦点距離はフルサイズでは50mmで、APS-Cではおよそ1.5倍の75mm相当になるのは、実撮影画角の違いです。50mmF1.4のレンズなら、フルサイズなら50mmの画角で、APS-Cなら75mm相当の画角になります。以下に続きます。


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この画角が違うから、実際に使う場面ではフルサイズのほうが50mmとF1.4の浅い被写界深度でまろやかなボケ味で表現できます。特に、室内撮影などでは、フルサイズとAPS-Cでは違ってきます。室内で50mmレンズを使う時に50mmのレンズに合わせて使いたいのに、75mm相当になると物理的制限からボケ味が生かせないことになります。

APS-Cよりもフルサイズのほうがボケるのは、実際の撮影現場では、物理的な空間の制限があるからです。つまり、それ以上後ろには下がれないのに、APS-Cでは下がらないとボケ量が得られないのです。レンズの焦点距離は同じで画角が違うだけだから、センサーでボケ量は変わらないという意見もありますが、それならレンズ交換式で比較する必要もなくなります。

コンデジの中でもセンサーが特に小さい1/2.3型でも、超望遠機になると背景を大きくボカすことは十分にできます。しかし、それは超望遠時の画角でないと無理なので、被写体からかなり遠く離れないといけません。物理的空間の制限を考えないで、レンズの焦点距離だけで考えると、レンズ一体型の超望遠機でも背景をボカせるので、レンズ交換式でボケ量が必要な撮影をする意味がないとなってしまいます。

35mmフルサイズを使うのは、フルサイズ以下では、画角を引き伸ばさないとボケ量が得られない不便さがあるからです。いくらでも長距離で撮れる広場などで撮影するのなら、1.0型センサーの超望遠機でも背景を大きくボカすことは十分にできます。しかし、被写体とかなり離れないといけないので、ポートレートで話しかけながら撮影することでのかなりの不都合があります。

APS-Cでもフルサイズよりも被写体と離れて撮影しないといけないので、フルサイズ時のようにポートレート撮影で近くで撮影することもできません。センサーの違いで大きいのは、画角が違ってくることによる撮影上の不便さで、実際に撮影する時には、フルサイズのほうが手軽にボケが得られるから、APS-Cよりもフルサイズを使うようになっています。

35mmフルサイズもAPS-Cも焦点距離自体が同じレンズではボケ量は変わらないと言われるのが間違っているのは、技術面と写真表現とを混同しているからです。これは、写真史を遡れば、「写真は芸術ではない」と思われて、現実を記録する技術でしかないと言われていた時代も思い起こさせるものです。ボケ味という写真表現のことを言っているので、技術面だけで考えることは間違っています。

焦点距離だけなら1/2.3型や1/1.7型、2/3型、1.0型のセンサー機で被写体から遠く離れて撮影すればレンズの焦点距離を稼いで大きなボケ量は得られるわけで、APS-Cを使う必要もなくなります。35mmフルサイズはAPS-Cから見ると「広角側に伸びている」状態なので、ボケ量の空間でボケ味を生かす撮影に向いている空間を作り出せます。

「35mmフルサイズは、APS-Cよりも、ボケ味を生かす空間を作り出せる」ことが、フルサイズの大きな利点になっています。ボケ味を生かすには物理的な制限がある中での空間作りが必要で、35mmフルサイズで開いた画角の空間から焦点距離でボケ味を表現してきました。ボケ量が得られるほどボケ味の表現もできるので、ボケ量とボケ味は比例しているとも言えます。

望遠側に伸びているセンサーでは、ボケ味のための空間が縮まってしまいます。35mmフルサイズよりセンサーが小さくなっていくにつれて、このボケ味のために必要な空間がだんだんと窮屈になってしまって、ボケ味というよりカタ味になってくるのは、センサーでの画角が違ってくることによる写真表現の違いです。APS-Cはフルサイズより、ボケ味のための空間作りが苦手です。

女性のポートレートで背景をボカすにも、画角が1.5倍になってフルサイズより狭い空間になるために、ボケ味のための空間作りでボケ量も減り、構図も窮屈になります。フルサイズの50mmレンズの画角では、APS-Cでは35mmになります。フルサイズの50mmレンズはその画角からも、女性のポートレート撮影にも向いています。

そして、フルサイズの50mmF1.4のレンズは、その50mmの画角と50mmの焦点距離が一致してF1.4で使えるから、女性ポートレートに使われてきました。それが、APS-Cでは35mmレンズになってしまいます。今回は50mmの画角でのポートレート撮影がしたいという時に、APS-Cとフルサイズでは、ボケ量もボケ味も違ってくるのです。

実際の撮影上では、画角の空間作りがボケ味の写真表現作りにつながっています。焦点距離が同じだからボケ味が同じという技術面だけでの意見は、写真表現を失わせるもので、写真表現を否定するものになってしまいます。

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